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2017年8月4日
初めての輸入建材の選び方 その④【 デザイナー様・建築士様編|後編 】
前回のブログに続き、今回もプロのコーディネーター様・建築デザイナー様・建築設計士様の視点から、施主様対応に際してのお悩みごとや視点・発想の転換について触れていきたいと思います。
限られた時間と予算
冒頭からリアルなテーマで眉をひそめられてしまいそうですね。 ”最近の依頼主様のほとんどが、時間が無い方、予算が無い方、もしくはその両方だ” という先入観はプロの方々の中に少なからずあるのではないでしょうか?(本当にリアルですみません) でも、時間が無いなら無いなりに、予算が無いなら無いなりに、精一杯の準備と強い意思をもって門を叩いて来られる方が多いのではないでしょうか?そのような方々には誠意を持って対応していかなくてはいけませんが、プロなら誰でも初めに「リスク」と「利益」を考えてしまいますね。 「輸入建材を使いたいのですが・・・」 と言われると思わず後ずさりしてしまう方もいるかも知れません。
では具体的に何がロスになるのでしょうか?想定外の追加工事など、どの現場にも可能性が考えられるもの以外では、打ち合わせに掛かる時間の長さ が実は圧倒的です。時間的なロスはすぐお金に換算できないですし、「何となく長引きそう、何となく無理が利かなさそう、何となく現場に指示しづらそう…」という「何となく」の部分が勝ってしまい、意識の中に「壁」を作る事にもつながります。気持ちよく依頼を引き受けて利益を残すためには、短期集中的な打ち合わせで設計契約(工務店様であれば工事請負契約)までの工数を減らし、なおかつロスの予測とリスク回避を同時に進めるという高度な技を駆使しなければなりません。
以前のブログで触れたサンタ通商のオーダースケジュール表や定期自社コンテナ便は、プロの皆さんにとって予定の先読みができる”バックアップツール”と言えますので、 「出来れば早く決めて欲しい・・」 ではなく 「◯月◯日までにご準備を」 とスケジュールに沿って明確なラインを示せるようになります。 私たちスタッフが施主様から直接お問い合わせをいただいた場合にも 「メリットとデメリット」、「趣向から見たお勧め商品」 などをなるべく明確にお答えして、迷いの中で奔走されている方々の指針となり、少しでも早くプロの方々の元へ辿り着くためのサポートを心掛けています。
”短期決戦” は施主様にとって幸か、不幸か?
「打ち合わせの時間や回数はそう簡単には減らせないよ」 多くのプロの方に共通の意見だと思います。仮に「いま8月なので10月中には決めましょう」と伝えたとすると、それまでに10回でも20回でも打ち合わせしてもらえるものと悪気なく考える施主様がおられます・・・そんなご経験はないですか? 時間=お金である事を意識していただくために例えば、「3回目の打ち合わせで設計契約図面に仕様まで明記したい、その準備のための協力をぜひお願いしたい」とはっきり伝え、おそらく最も手間と時間を割かれる部材の下調べと選定のプロセスに引っ張られ過ぎないための布石を打つ、という手法はいかがでしょうか。
具体的に採りたい対策案を挙げますと・・・
- 打ち合わせは期間ではなく回数を宣言することで、毎回の課題を濃くしてイメージがブレるのを防ぐ
- 希望部材は複数の候補あげてもらい、優先順位を伴って極力早い段階で提示していただく
- ”候補のものが調達できない場合はこの範囲から代用します”という約束を取り付けて、結果には常にご納得いただく
「でもそれって少し強引では?一応相手は素人だし、急がせて引いてしまわれたら…」と心配が先に立つ方もおられるでしょう。でもその心配は世間の多くの施主様には当てはまりません。なぜなら、インターネットを始めとする多様な情報源の中から、自分がコレと思うものを探し出して「既に情報として手元に保管してある」状態だからです。
”初回接触の段階で既に6割の購買プロセスを終えている”というマーケティングのリサーチ結果がよく引き合いに出されます。実際に施主様とお話ししていると、商品1点のみに対する深いご質問であったり、価格帯のお話しだけして行かれたりと、その根拠を感じる事ができます。 「次の打ち合わせまでに10品目決めてきてください」というお願いをしたとすれば、それに応じる施主様から見ると「お気に入りにキープしてある10のカテゴリーの情報にそれぞれ1位から3位までの順位を付けて一度全部渡す」 という”作業”を意味することになります。
スピード感を大事に、視点の転換
デザイナー様・建築士様編でお伝えしたかったのは、一大決心をされた時に折角固めた良いイメージが、時間を掛ければ掛けるほど違う方向へ崩れていくリスクと、迷いながら走り出すとお金に直結するロスが生じる事を、思い切って施主様にお伝えして、スピード感を保って打ち合わせを進めることを宣言すべきではないでしょうか?という点です。もちろん全ての施主様には当てはまりませんし、資金調達や各種申請など事務的な時間が費やされるのも避けられません。ご自身の中にしっかりしたイメージと良い家を造る覚悟があれば、お互いの信頼関係の中できっと応えていただけると思います。
「時間を掛けてじっくり計画を練り上げてこそ良いものができる」 というこれまでの定石に加えて、「短期集中で宿題や約束ごとの多い打合わせも決して悪いものではなく、最短距離で高い理想に近づくために双方メリットがあるやり方ではないか」 という視点(発想)の転換を何かの機会に実践してみられてはいかがでしょうか?
次回は 「初めての輸入建材の選び方 工務店様編」 として、まだ登場されていない 建築会社さんや職方さんたちが、難しい注文を受けた際に現場でどのような問題に直面してどのような工夫で解決されているのか?などの点について触れていきたいと思います。
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